日本でも見られるリモートワーク

つい先日、小池百合子東京都知事がコロナウイルスの影響により外出を自粛するよう呼びかけました。元々、働き方改革の推進で取り組んでいた企業もいらっしゃいますが、今回のニュースもあり、さらに急加速していくのではないでしょうか。今回はそのリモートワークを行う際の利点や注意点について取り扱いたいと思います。

リモートワークの利点

リモートワークを導入すると何が良いのでしょうか。もちろん今回は感染を防ぐためという理由がありますが、生産性向上という面からも利点があります。まず場所を選ばない点です。自宅やカフェなどで業務が行えるため、比較的自分のペースで働くことができます(現在は自宅などに限られると思います)。

そして働ける時間が増える点です。自宅から業務が行えるため、通勤時間が浮きます。労働時間に制約がある人たち、例えば育児をしているお父さんやお母さん、介護している方が働きやすくなるというのが明確なメリットになります。

総務省統計局 のデータより作成

総務省統計局の平成28年社会生活基本調査によれば男性の平均通勤時間は約43分、女性は25分となっています。男女平均でみれば34分でこれは往復1時間を超えます。この1時間が浮くのは大きいですよね。仕事で毎日1時間浮かせようと思うと、、、いかに大変かは容易に想像がつきます。

リモートワークのためのツール

しかしリモートワークを導入するにしてもそれを可能にする「ツール」の存在が欠かせません。ツールといっても様々な製品があるのでピンキリですが、前提としてネットをサクサクスムーズに使えることが必須でしょう。

メジャーなところでいうとMicrosoft社の『Ofice365』やGoogle社の『Gsuite』などが挙げられます。そしてそうした基盤ができると今度はコミュニケーションを円滑にするためのツールとして『Slack』や、ビデオ通話によりミーティングができる『Zoom』、一人一人の進捗状況が確認できる『Trello』などを活用すると効果的です。実際にこれらのツールの組み合わせて使用している企業は多いのではないでしょうか。

うまくツールを活用しながらリモートワークを行うことで普段と同程度、または普段以上の成果が望めます。

リモートワークの注意点

こうしてみると、一見リモートワークは簡単で、ツールを導入すれば生産性高く仕事ができると思われがちですが、気をつけないといけないこともあります。例えば、通勤時間が減る分、今まで以上に労働時間が長くなってしまうなどです。今回は主に3つの点からリモートワークの注意点を挙げたいと思います。

セキュリティ

1つ目はセキュリティです。先ほどお伝えしたように、リモートワークにはインターネットが欠かせません。そのため情報漏洩に気を付ける必要があります。場所を選ばないという利点は裏を返せば、カフェやレストランなど公共の場で作業することで生まれる様々なリスクも孕んでいます。

もちろん企業全体を通して情報漏洩が発生しないようにすることが肝要ですが、これは個々が心がけるべき問題ともいえるでしょう。

ビデオ通話

2つ目はzoom等のビデオ通話を使って、会議や商談を行った際に、対面と比べて自分の意図が伝わりにくいということがあります。相手のリアクションが読みづらかったり、テンポが遅れるので、単純にコミュニケーションの難易度があがります。

そうしたことを防ぐために、以前よりも綿密な準備を行う必要があります。まず話し合う内容を文字起こしするなどしてお互いの認識を合わせます。そうすることでお互いの認識のズレが少なくなります。そして忘れてはならないのは、事後の共有です。事後の共有を徹底することでズレを最小化できます。ビデオ通話を行う際には、『事前の準備』と『事後の共有』をセットで考えるのが望ましいです。

成果の確認

最後に成果の確認という点に気を付けなければいけません。監視の目がないため、職場と同じ緊張感を保つことは難しく、集中力が続かない危険性があり、普段通りの成果が出ないことがあります。特に若手の社員からすると仕事等で分からないことがあった際に、気軽に上司に聞けず、分からないまま進めて最初からやり直しになるなどの手戻りのリスクもあります。

これらを防ぐため、より気軽に相談できる環境を作っていくことが大事です。コミュニケーションのツールを導入したり、1on1などの定期的な相談の場を設けることが対策になります。

また、若手の方に限らず、部署全員でどのような組織にしていきたいかのビジョン、どのような業務を増やしていきたいかの共通認識があると生産性高く働けるようになります。リモートで独り働いているときに、この組織はどこに向かっているのか見えないというのは大きな不安になります。さらに、どのような業務を増やしていけると組織の生産性向上・個人の生産性向上につながるかが不明確だと、別の優先順位の低い業務に時間を使いがちです。

日本ではリモートワークに多少なりとも抵抗がありますが、それに対して海外ではむしろ積極的に導入されています。次の項目では海外と日本のリモートワークの点での違いを説明したいと思います。

海外と比べて遅れたリモートワーク

今現在、リモートワークをしている企業は多く見受けられますが、海外と比べると導入は遅れてしまっています。なぜ日本は遅れをとってしまうのでしょうか。

日本と異なる文化や雇用制度

これには日本と欧米の雇用制度の違いが関係しています。日本はメンバーシップ型と呼ばれる雇用制度が古来より用いられてきました。これは基本的に年功序列制度で人に仕事を割り振るため多少は成果に左右されますが、ある程度の報酬は確約されている制度です。そのため管理する側と管理される側では責任に違いがあり、温度差が生まれがちです。なので、成果を担保しなければならない管理職の方々が自分の近くで監視したいために、リモートワーク制度は海外と比べて遅れをとってしまったのです。海外はジョブ型という雇用制度をとっています。

そして日本は公共インフラが整っているため、海外と比べ通勤しやすいという理由もあります。アメリカなどでは飛行機で通勤する場合もあるためオンラインのほうがむしろ良いのです。加えて日本と海外のコミュニケーションの違いもあります。日本では日本人だけの会社が多く、空気を読むという手法を会話の中でとります。そのためオンラインだと得られる情報が少なく、対面の時と異なるためスムーズに話し合いが進みません。その一方で海外は、様々な国の人が働いているため異文化理解が進み、物事をはっきり伝える傾向があります。これによりオンライン上でも変わらず、普段通りに仕事を進められます。

いかがだったでしょうか。これからリモートワークを普及させるには、日本では年功序列の制度が残っているため、まず上の立場の人が積極的にリモートワークに参加することで自動的に下の人々もリモートワークがしやすい雰囲気を作れます。今回挙げた利点や注意点を踏まえて、効率の良いリモートワークの参考にしていただければ幸いです。