以下、2つの解説動画について、読者の方から頂いたご質問に答えていきたいと思います。※クリックすると該当する動画のページへ移動し、解説動画を視聴することができます。

Q
人事部を担当し、働き方改革を推進しておりますが、実際に現場の方(組織長、社員)に動いてもらえないです(※今まで通りの方がラクという理由で)。それに対して、人事部としてはどんなアプローチを行えば良いでしょうか?他社の事例もあればご紹介いただければと思います。
A

現場の社員の方があまり乗り気でない、管理職の方も非協力的な場合、2つのアプローチが必要になります。

一つ目は、感情的なブレーキを解消するという方法です。働き方を変えていくのはしんどいですし、めんどくさい活動なので、個人にとってどんなメリットがあるのか?一社員に考えてもらうことです。管理職の方にとっても働き方改革は最初しんどい活動ではありますが、より効率的に組織運営ができたら管理職自身にとってどんなメリットがあるのか?を考えてもらったり、場合によっては、推進側が未来を見せてあげるというのが必要になります。

例えば、どんなメリットがあるかというと、効率的に組織運営ができると

  • 働く個人の方がより生き生きとして元気になっていく
  • 業務を改善していくとミスやトラブルが減る
  • 標準化 / 平準化ができて組織としての体制がより強くなる

こういったことがメリットとして挙げられます。なので、まずは感情面のブレーキを緩和するということがポイントです。

二つ目に関してはこの個人要因と上司部下要因の部分にも関連しますが、実際に働き方を変えられる武器を提供してあげるというところです。

筋肉トレーニングと同じで、働き方改革は個人の肉体改造に例えると、10キロやせてムキムキになるということです。

この10キロやせてムキムキになるトレーニングメニューを普段働きながら、しかも忙しい中、自分で開発してやってくださいって言われたら、非常に難しい要求になります。なので、このようにすれば10キロやせてムキムキになれる、という具体的なハウツーが欲しいということになります。

例えば、週2回50分の運動と3回の徹底した食事制限で、10キロやせてムキムキになれる50分のトレーニングメニューはこんなメニューです、3回の食事は例えば、炭水化物、糖質はこの程度に抑えてください、というところまでが決まってるハウツーを提供してあげます。そうすることで、社員の方、管理職の方は武器があるので、後は使うかどうかだけの問題になります。使うかどうか、に関しても予めブレーキとなる部分を緩和しておくと、実際に武器を使ってくれるということになります。

具体的な事例は、是非弊社のホームページをご覧頂ければと思いますが、使える武器を提供してあげるか、これが大事になります。ある企業の事例ですが、人材ビジネスの会社さんでいくつか部署がある中で、最初にタイムマネジメントの話をしようという話をしていました。

事業部の人事部の方にこの研修で個人の方の生産性が高まります、という話をしましたが、現場の方は忙しいからやっていられないという回答で否定的でした。そこで、まずいきなり事業部全体でやるのは難しいので、もっと小さくして、当時一番忙しかった人材紹介、転職のサポートをしている事業部で、一つの部署11名の方だけ研修を受けていただきました。

マネージャーの方が生産性向上に意欲的な方だったので、その方にご協力を仰いで3時間なんでちょっとやってみてくださいっていうとこで研修を実施しました。

研修を実際行ったところ、非常に良かったという声をその部署11名の方々から頂き、この声を事業部の人事の方に持っていったところ、これだけ好反応であれば、事業部全員やってもらいたいという話になりました。忙しい人材紹介の事業部で、300名、400名の方々の間で良いリアクションが得られた瞬間に何が起きたかというと…

否定的だった他の事業部の方々が、自分達にもやってよ、というように変わっていったので、いかにすぐ使えて、現場の方々の助けになる武器を提供できるかというところがポイントになってきます。

Q
生産性阻害要因、部要因まで変えようとする場合にどのぐらい時間がかかるのか?
A

部要因の生産性阻害要因を解消していくと考える場合、最低半年、できれば一年見ておくとよいでしょう。理由は、我々もいろんなお客さんと、生産性を高めていく、働き方を変えていく活動ご一緒していますけれども、まず忙しい現場の方々に時間捻出してもらえる限界っていうのは月1回、2時間~3時間が限度だと思っております。

先ほどご紹介したように、まずはビジョンを描く、業務を棚卸しする、業務改善を実際にやってみる、できたものとできなかったものを分けてPDCAを回していく。これだけで4ヶ月かかります。可能であれば、業務改善は、毎月行った方が良いので、最低半年間で、部要因の生産性阻害要因が変わってきたというのが実感できるくらいになってきます。

確実な成果を出していきたい、本当に働き方改革やってきてよかったと思ってもらえるレベルになるには1年間が必要でしょう。

そしてその後、業務改善の PDC Aを回していく中で定着するので、月一回3時間でいいので、1年間続いてくると目に見えて対象業務を変えることができた、それによってこれだけ楽になったという変化が感じられるようになってくるので、理想的には1年間というところになります。

Q
最近、ITツールの導入によって仕事の効率を高める、オフィス環境を整えて生産性を高ていこうという取り組みをしておりますが、制度の方がなかなか追いついていない状況です。綺麗なオフィスに移転して終わっている状況です。そのような状態の中で、何から手をつけていったらよいか何かアドバイスはありますか?
A

IT、RPAを導入、AIを活用する企業が増えています。これらに関しては、業務の棚卸でいうと、緑の枠を機械に代替しようという取り組みです。機械に代替できるのであれば、人がかける時間が減ってくるので、緑枠全体が減っていくということになります。ポイントは、RPAやAIを導入して、どこの時間に再投資をしたいのか?ということです。

よく企業様で言われるのは、付加価値のある業務、付加価値のある仕事に人を代替していきたい、配置したいと言われますが、実際に付加価値のある業務とは何か?どこの部署にどんな業務があり、それをどれくらい増やしたいのか?これが明確でないと、結局AIやRPAで浮いた時間がうまく再投資されないという問題が発生します。なので、自部署で力を入れていきたい、増やしていきたい業務を明確にするということが大事になってきます。

次に、オフィス環境を整える、オフィス環境をより良くする取り組みは、この緑の時間に寄与しません。寄与するとしたらこの赤枠か、青枠になります。実はこの赤枠と青枠をやってる時間というのは、その時間の密度というものがあります。

例えば、お客さんの提案書を作るっていう時間を3時間取っていたとして、3時間ずっとどんな提案をするか?机に座ってうなっている場合、これは時間の密度が低い状態です。

オフィスが綺麗になる、より良いオフィスで働くっていうのは、青色枠に影響する可能性があります。実際にオフィスが綺麗になることで、いろんなアイデアが生まれる、あるいは、他の部署の人とのコミュニケーションが活性化されて知らない情報を得られる等が考えられます。

このような結果に繋げられる仕掛けがあれば、生産性、持続可能性の向上に繋がっていくと考えられます。制度を実際に変えていくこともできなくはないと思います。ITやオフィス環境を変えて、制度を変える場合は時間当たりの生産性で評価していくっていうところが必要になってくるかなと考えています。

結局普段から長く残っている人の方が評価されるとなると、今まで通りダラダラ働いたり、生産性を高めていくモチベーションに繋がらないので、制度まで変える場合は、時間当たりの生産性で見ていく、これがポイントになります。

ですが、業務の測定ができているというのが前提だと思います。成果に直結する業務がこれくらい増えている、売上や利益もこれぐらいが見込まれるという計算が行えていないと、時間当たりの生産性で評価していくことが難しいでしょう。人件費も上がる可能性も考えらえるので、計算が行えていないと、時間当たりの生産性で評価するところまで持っていけないのが現状ではないでしょうか。