長時間労働のアンインストールに10年以上

「残業学 明日からどう働くか、どう働いてもらうのか?」の著者で、立教大学経営学部の中原教授によると、働き方改革の現状について

  • 「長時間労働」という長年続いた慣行をアンインストールするのに必要な期間は”10年以上”
  • 働き方改革がうまくいっている企業は自社の働き方改革の問題を経営課題に位置付け、仕事のやり方を見直している
  • 労働時間を管理する”外科的な手法”と並行して会社全体で”漢方治療”的な体質改善を進めないと働き方は変わらない
  • 働き方改革を進めることは”企業の存続”に直結する

と、非常に興味深い内容を述べられています。特に気になったのは・労働時間を管理する”外科的な手法”と並行して会社全体で”漢方治療”的な体質改善を進めないと働き方は変わらないという点です。ここで言う外科的手法とは「残業のタイムリミットを決める」「PCの強制シャットダウン」といった、労働時間に境界を作り出すことを指します。

変わっている実感はある…?“働き方改革”が左右する企業の将来【FNNPRIME】

https://www.fnn.jp/posts/00049805HDK/202001181800_FNNjpeditorsroom_HDK

日本人はそもそも就業時間に対する意識が低いので外科的な手法は必要であると認めつつも外科的手法だけで仕事が減っていなければ…

  • 「サービス残業が増える」
  • 「管理職が仕事を抱え込む」
  • 「できない仕事を放置する」

など悪い方向に進んでしまうため、並行して会社全体で”漢方治療”のような組織体質の改善(仕事の進め方の見直し)を行う必要がある。と中原教授は仰っています。私もこれには全面的に同意です。

ヒアリングをしている中で時間に境界を作り出す外科手術を行っている企業様はたしかに増えていると感じます。※最新のITツールを導入したが社内で使いこなせていない、制度が追いついていないという声も聞きます。一方で、漢方治療(仕事の進め方、組織風の改善)まで行っている企業様は本当にごく一部です。

この歪みこそが、最近よくニュースで取り沙汰される「働き方改革によって苦しむ社員」を生み出しているのではないでしょうか。

2030年には、人材の採用が現在の2倍くらい困難になると予想されています。さらなる人手不足が予測される今、組織に求められるものは「いい職場」であることでしょう。長時間労働ではなく、長期間労働できる職場や組織風土づくりを今から始めていく必要があると思います。

変化に柔軟に対応できる強い組織を作るには?

働き方改革について、企業様ごとに様々な課題をお持ちですのでご相談内容は様々ですが、最近の傾向として「強い組織を作りたい」といった組織づくりに関するご相談が増えている印象です。お話をうかがうと、課題は諸々あるものの、導入した制度や施策がなかなかうまくいかないのは、組織状態に課題があるのでは?と考える企業様が多いようです。たしかに、制度を実際に使ったり施策を実行したりする上で組織状態(関係性や意識)はかなり重要な要素だと思います。

Googleが実践する「働き方改革」5つのカギとは【YAHOO!ニュース】

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200129-00010000-ananweb-life&p=1

Google社が発表したパフォーマンスの高い組織における重要なファクター(以下5つ)についてご紹介しています。

  • 心理的安全性:一人ひとりが恐怖や不安を感じず、安心して発言や行動ができる状態
  • 信頼性:高いクオリティで、かつ期限内に最後まで仕事をやり切ってくれるという安心感
  • 構造と明確さ:「構造」とはチームが達成すべき具体的な目標、個々のメンバーの役割、行動計画の3つ
  • 意味:チームのためにしている仕事が、自分自身にとっても意味あることだと実感できる
  • インパクト:チームの成果が、会社、そしてユーザーや顧客、ひいては社会全体にどんなインパクトを与え、変化を起こす可能性があるのか

全てを満たすと「部署みんながそれぞれの役割を最大限果たし高い心理的安全性の中、シナジーを生み出しながら共通の目標に向かっている状態」になります。

では、こういう組織はどうしたら作れるのか?その一歩目のとして我々はよく…

部署単位でビジョンを描く
成果を軸にした業務の棚卸をする 見出し

といったところをおススメします。というのも目指すゴール(そもそも自分たちはどんな組織になりたいのか?)や何をすれば良いのかの判断軸が不明確な組織があまりにも多いからです。

そこが不在のまま「組織の生産性を上げましょう」「関係性を良くしましょう」と言ったところで、なかなか自分事まで落ちません。

逆に、このポイントを押さえるだけで今までどんな施策も響かなかったような現場が動いたりもします。今期実施した施策が不発気味に終わった企業様は「自分たちは何を目指して、何をすべき/したいのか」これを明確にしてあげることから始めてみてはいかがでしょうか。